「伊集院光のばらえてぃー」が Netflix で配信されてるのに気づいた

 TBS ラジオの「伊集院光 深夜の馬鹿力」で、一時期、伊集院さんのフリートークといえば、この話だった。
「伊集院光のばらえてぃー」という、DVD の話である。
「オテンキの GO が」とか、
「三田寺理沙ちゃんが」とか、いろいろ話してたんだけど、知らないひとの話だったのでほどんと聞き流していた。ただ、とにかく予算がない、とか、ロケ地を自分で探す、とかいう話はなんとなく印象に残っていた。
 とにかく、おもしろいバラエティーを作って、DVD で出す、ということなんだな。
 くらいの理解しかしてなかった。
 ところが、実物を見てみたら、これ凄かったわ。
 おもしろい?
 うん、おもしろい。
 いや、おもしろいけど、まず凄かったよ。


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 いつのまにか、Netflixで「伊集院光のばらえてぃー」が見られるようになっていたんである。
 いま見られるのは全部で 6 つの企画。
 
1. だるまさんが動いたらみんなバラバラの巻
2. 酩酊ドミノ ハイパーの巻
3. ラジオの魅力に迫りまSHOW!〜投稿しNIGHTからの巻
4. 裸・裸・裸フィッシングの巻
5. ノンアルコールドミノ毒入りの巻
6. 体内時計でぴったんこの巻

(Netflix では見られないけど、DVD 購入者には他に三つの企画がおまけについてくるらしい)

 上の 6 つ、ぜんぶおもしろい。
 なんつっても「1 だるまさん」や「5 ドミノ毒入り」「6 体内時計」という心理戦や頭脳戦、対伊集院さんや、メンバー同士の駆け引き、肚の読みあい、さぐりあい。それがまず、このシリーズのおもしろいところだと思う。
 以下、ネタばれします。
 
「だるまさん」のルールを不完全ながら説明すると、九人の参加者が、九つの個室に閉じこめられるわけ。
 参加者は全員、ダルマを 5 つ持っている。このダルマを 1 イニングにつき、3 つまで誰かに押しつけられる。ただし、ひとりに押しつけられるダルマはひとつ、と決まっているので、おなじひとに複数のダルマを押しつける場合は、次のイニングを待たなくてはならない。
 8 イニングやって、ダルマの数が少いほど順位が高い。
 ダルマをたくさん押しつけられた、下位の三人が不合格となる。
 不合格になると、次の企画には参加できない。
 ただし特例があって、全員が 5 つのダルマをもったまま 8 イニングを終えれば、全員合格とする。ダルマは無理に誰かに送らなくてもいい。8 イニング、全員が自分のダルマを動かさなければ、みんなで次の企画に参加できる。
 
 伊集院さんが最初に、「これは団結力をためすゲームだ」みたいなことをいうわけ。ダルマは、動かさずにいるなら、そのほうがいいんだよ、みたいな。
 メンバーのひとたちも、なにがあってもダルマを動かさず、みんなで勝とうって誓いあう。
 実際、下手なことせずにイニングが過ぎるのを待ってればいいんだから、簡単なんである。伊集院さんはそれでも、1 イニングの時間を多めにとって、疑心暗鬼を呼びおこすべくジラしたりする。
 けど、効かない。
 みんな動かない。
 半分の 4 イニングくらいまで、まったく誰も動かない。参加者のひとり、バイキングの小峠さんがいみじくも「このまま終わるんちゃうかな」っていってたけど、おれもそう思った。

 伊集院さんはそれで、何人かのメンバーの部屋を個別におとずれて、揺さぶりをかけはじめる。
「この部屋はいまのところ平和みたいだけど、ほかの部屋はどうかな。ダルマが飛びかってるかもよ?」
 みたいな、疑心を誘導するようなことをささやく。
 けど、効かないよね。むしろ、番組としてはともかく、ゲームとしては、自分たちが優位だ、うまく推移してる、と確信したと思う。なにも起きないので、伊集院さんあせってるのかな、みたいなさ。
 けっきょく、みんな誘いをかわして、ダルマを保持する。
 
 けど、次のイニングあたりである仕掛けが発動するんだよ。
 そっからひどい。
 たちまちだよ。たちまち、それまでの均衡が崩壊する。
 飛びかう怒号、ひろがる疑惑、くずれる信頼。
 いっぺんに報復合戦がはじまって、見るも無惨になっていく。
 ここで、伊集院さんが時間を長くとってジラしたのも、メンバーのところへ顔を見せにいったのも、ぜんぶ効いてくる。無駄じゃなかったのだ。下準備というか、前振りだったわけ。
 ルールの中に、白ダルマっていうのがあって、それを使うと他のメンバーふたりを呼び出して会議室で会議できる。
 けど、この段階の会議だと、「仲間を呼びだして誓いを確認しあう」とかいうふうにはならないよね。肚をさぐりあったり、情報を引き出そうとしたり、みんなダルマを送ってきた犯人を捜すのに、やっきになる。
 またこの会議がはじまると、小峠さんがすごいおもしろいんだよ。
 あとイマニさんとか、オテンキのノリさんとか悪い顔になってたな。
 
「5 ドミノ毒入り」という企画、とくに前半は、これに輪をかけておもしろい。
『見ちゃいけないものを見た』くらいの緊張感が味わえる。
 けど、すべてが心理戦のゲームじゃなく、「テレビだと出来ないから DVD でやる」というような、いい意味でくだらない企画もある。
 
 酩酊ドミノ。
 これがまた、ひっどいんだよ。おれ、一番好きかもしれない。
 みんなで日本酒を飲みながら、番組のロゴをドミノで作ろう、っていうそれだけなんだけど、見る見るうちに地獄絵図がくりひろげられていく。
 酒癖が悪い、と評判の芸人さんが集められてるので当然なんだろうけど、それにしてもジェニーゴーゴーというコンビの根喜田(ネギタ)くん、て呼ばれてるひとが本当にひどい。
 酔って気が大きくなるひとはいるよ。
 絡んでくるひともいる。
 けど、根喜田くんの絡みかたは、おもしろいんだよな。大先輩をからかい始めるんだけど、そのラインがかなりきわどい。憎らしいほどおもしろく先輩を小馬鹿にするので、場の緊張はどんどん高まっていく。
 その緊張は、やがて決壊するんだけど、その瞬間は大爆笑した。
 あと、イマニさんが泣いちゃうところも笑った。
 それと、この企画では、酔っ払いを怪獣になぞらえており、随所にウルトラマンのオープニングみたいな、スタイリッシュなレトロ感のデザインが使われている。そういうところも良かった。
 見られる環境のひとには見てほしい気がする。よしんば、おもしろくなくても、参加者のひとり、田代さやかさんの胸の谷間が魅力的なので、損はないはず。
 
 もうひとつ、よく裏伊集院、ていわれるけど、見ていて思ったのは、むしろ伊集院さんって優しいじゃん、という。若手の芸人さんに向ける眼差しが優しい。
 最悪の下ネタをよくいうけど、でも女性タレントのひとや、女芸人さんにはすごい敬意をはらっているように見える。
 そのせいか、番組でいろいろひどいことが発生するんだけど、ある種の品位みたいなのは不思議と守られてるように感じられた。
 そんなことを考えながら、最後の企画を楽しんでいたわけ。
 メンバーのひとり、三田寺理沙さんの宝物のヌイグルミがさらわれて、それを救うため、全員であるゲームに挑戦しようっていう流れになる。
 見事、そのゲームに勝ち、ヌイグルミは戻ってくるんだけどさ。
 そのあとの反省会で、
「もし、ゲームに失敗したら、ヌイグルミはこれを使って焼くつもりでした」
 っていう装置が映し出される。
 その装置を見てたら、「あ、やっぱこのひとたち、おかしいわ」って思ったね。想像以上の闇の深さをしみじみ感じたよ。

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