甲賀忍法帖の朧と弦之介、勝つのはどちらか

 山田風太郎の「甲賀忍法帖」は数年前、漫画にもなり、アニメにもなった。敵対する伊賀と甲賀の忍者の十番勝負を描いた小説である。
 主要な登場人物のうち、甲賀卍谷の若殿・弦之介と、伊賀鍔隠れの姫・朧は、深く愛しあっている。ふたりはその愛でもって、甲賀と伊賀の両家にわだかまった怨念を溶かし、やがて平和をもたらそうと誓いあった仲なのである。
 可憐な朧と仲睦まじく歩くシーンで、弦之介は空想する。
 ——朧どのの破幻の瞳と、わが瞳術、つよいのはどちらか。
 ふと忍者の血が騒ぎ、そんなことを考えて弦之介は苦笑するのである。
 
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